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建方工法設備


スライドシステム 〜SWORD(ソード)工法〜

概要

線路上に建物や人工地盤を構築するにあたり、周辺に敷地の余裕がなくクレーン作業に制約がある場合、建設工事ではトラベリング工法が採用されることがありますが、構築物の組み立て前に、構造物を移動させるためのガイド桁などの仮設が必要となります。橋梁などの土木工事においては同様の工法として、手延べ桁を使用する押し出し工法がありますが、この場合も手延べ桁などの仮設設備が必要となります。これらの在来工法で線路上に仮設設備を構築する場合は、事前にホーム屋根の撤去などが必要となることや、実際の建設作業も(終電後〜始発前までの)夜間工事に限定されることなどから、建設コストの増大は不可避となっていました。

スライドシステムは、予め昼間に線路脇の発進構台上で建物の上部鉄骨を組み上げておき、夜間、ホームや線路の間の立てた独立柱の上に(ガイドレールなしで)横方向に1スパンずつスライドさせ、線路上空に建物や人工地盤を短工期・低コストで構築するという全く新しいシステムです。

現在、本システムは、SWORD(Slide-Work Over a Railway and Down)工法として、JR東日本・鉄建建設・巴コーポレーション・巴技研の4社で共同特許を申請中です。

JR東日本 立川駅改良工事において、周辺を駅本屋、乗り換え跨線橋、モノレール、商業ビルに囲まれている場所に増床を行うという施工上の厳しい条件への対策として、本システムが採用されました。

立川駅改良工事における施工事例
スライド工事
  • 初回は構台上で約600tの鉄骨をスライド
  • 2〜4回目は、昼間工事で構台上に組み立てた鉄骨を、夜間き電停止工事で1つのホーム間をスライドする。
  • 最終重量は1,600tを超える。
フロアダウン工事
  • き電停止工事でスライドした3ブロックの床を約2.6mダウンさせ、梁をボルトで接合する。
在来工法との比較

在来工法との比較


特長
工期短縮
線路脇の構台上で昼間に建物の上部鉄骨を組み上げ、夜間に線路上空にスライドさせるため、通常は夜間に行われる鉄骨工事を昼間作業することが可能となり、能率が向上し、工期を短縮できます。
安全性確保
スライド時は、ガイド装置およびスライド装置で中小地震に対応、列車運行時は上部構造物と下部構造物をピンで固定することで、大地震に対応した安全性を確保します。
支承の摩擦係数
支承にMCナイロンと潤滑剤を用いることで、滑り面に3mm程度の段差があっても、摩擦係数は0.1以下となり、ホームに建てた独立柱の水平力を小さくできます。
ホームの仮屋根は最小限で済みます
ホーム屋根の上部で構造物を構築するため、ホーム屋根撤去作業を先行させる必要がありません。仮屋根は、発進構台部分だけの最小限でよいため、き電停止の支障物移転工事も少なく、鉄骨工事以外でのコストの削減が可能となります。
スライド装置は正確な位置精度確保が可能
スライド装置は、油圧ポンプ吐出量、シリンダー変位量、荷重計の管理値を制御することで、2mm以内の精度で運転可能な装置です。

スライドジャッキの位置精度


仕様

スライド装置はスライド部鉄骨の後方に架台を組み、その中にジャッキを設置します。90分間で20mのスライド能力を備え、4台使用時で重量約2,000tの構造体のスライドを可能とします。

層間変位制御計測ソフト

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油圧ユニット
22kwポンプモーター 吐出量 48L/分 以上
スライド速度の制御 2速切替式(100%速度または90%速度)、微速 3mm/秒による位置合せ
スライド装置本体
シリンダー 押し50ton 引き40ton ストローク1,060mm 2本1組
スライド速度(15mm/秒)1サイクル(1m)を132秒
尺取り用ピン バネ引込み式ピン
ステップバー、反力部 1,000ton用定尺5mジョイント式、荷重計兼用先端部
滑り支承 スライド面昇降用200tonジャッキ組込式支承、上面MCナイロン
集中制御盤 シリンダーストロークを変位制御(管理幅2mm可能)パソコン画面による監視モニター
走行装置 70ton 仕様ガイド車輪走行
吊上げ時間 約 60分(油圧可変式)
操作方法 無線遠隔および制御盤機側操作
安全装置 作業時:シリンダ上下部ピン
ホース破損時:パイロット操作チェック弁

スライドシステム全景
スライドシステム全景
シリンダー
シリンダー
滑り支承
滑り支承

集中制御盤
集中制御盤

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